君の雪は解けない

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まあ、よくある話だと言えばそうだね。

だからそんな、畏まって聞かなくても良い話なんだけれど⋯⋯


まず僕が、黎月会のボディーガードだというのは、さっき話したでしょう？

そうなった成り行きは、
僕が若頭⋯琉佳(ルカ)の従兄弟だったからなんだけれどね。

⋯あはは、琉佳は冷酷無慈悲、という訳じゃないよ。
特定の人間限定かもしれないけれど、彼は優しいし、信頼を置ける存在だよ。

そうして、僕は徐々にその立場に慣れていったわけだけれど。


端的に言うと、
元々僕が置かれていた家庭環境は劣悪だった。

片親だとかではなかったけれど、
日々暴力を振るう父と、そんな父に心底陶酔しきっている母。