[萌依Side]
♢
「正真正銘、僕が、黎月会 若頭付きのボディガードだよ」
黙っていてごめんね、と微笑む美青年。
学校でも頻繁に話題に上がる、鳳 眞雪——その人だった。
麗しい美丈夫の、驚愕の告白。
彼の柔和で人好きのする笑みは、裏社会との繋がりなど全く感じさせない。
普通は腰を抜かすだろうが、
萌依ら白蓮は、存外冷静に現実を受け止めていた。
「その、⋯⋯詳細に聞いても、いいか」
ちらちらと横目で彼の表情を窺っているのは、萌依と恋仲にある男だ。
普段が堂々とした物言いなだけに、
歯切れが悪いのが珍しい。
「もちろん。何が聞きたい?」
「⋯⋯眞雪が話せる限り」
「あはは」
りょうかい、と彼はまた微笑む。
その玲瓏たる笑顔はどこか気が抜けるようで、
やっぱり、力で物事をねじ伏せるようなヤクザとは結びつかない。
「まあそんなに話すことは多くないんだけどね。まず——」
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「正真正銘、僕が、黎月会 若頭付きのボディガードだよ」
黙っていてごめんね、と微笑む美青年。
学校でも頻繁に話題に上がる、鳳 眞雪——その人だった。
麗しい美丈夫の、驚愕の告白。
彼の柔和で人好きのする笑みは、裏社会との繋がりなど全く感じさせない。
普通は腰を抜かすだろうが、
萌依ら白蓮は、存外冷静に現実を受け止めていた。
「その、⋯⋯詳細に聞いても、いいか」
ちらちらと横目で彼の表情を窺っているのは、萌依と恋仲にある男だ。
普段が堂々とした物言いなだけに、
歯切れが悪いのが珍しい。
「もちろん。何が聞きたい?」
「⋯⋯眞雪が話せる限り」
「あはは」
りょうかい、と彼はまた微笑む。
その玲瓏たる笑顔はどこか気が抜けるようで、
やっぱり、力で物事をねじ伏せるようなヤクザとは結びつかない。
「まあそんなに話すことは多くないんだけどね。まず——」

