君の雪は解けない

白蓮が思い思いの反応をする中、萌依が首を傾げてそれを言う。


「えっと、それなら有瀬さんは、その若頭?さんの護衛⋯ってことですか⋯?」


恐る恐る言われたそれ。
途端に、有瀬も眞雪もぴしっと固まる。

次に彼がどう出るのか横目で見ていると、彼は急に吹き出した。


「あはは!違う違う。俺は⋯⋯側近ってところ?護衛はこっち」


有瀬は、ばんっと眞雪の背を叩き、その馬鹿力で体が前のめりになる。

(本当に、全部言ってしまうんだね)

彼にしては豪快なその仕草に、
もはや眞雪としては諦めるしかなくなっていた。

というより、もうここまで暴露されているというのに、
この状況を誤魔化せ、と言う方が難しい。


「眞雪が、護衛って⋯⋯」

「片っ端から殺した、って若那が言ってた⋯⋯?」