*
・
「眞雪くん、いつもそれ食べてるよね。好きなの?」
いつものように席を取り囲まれたとき、花名森が言った一言。
彼は、眞雪の口にある棒付きキャンディを指差した。
白蓮の眞雪への呼び方は、いつしか苗字かフルネームから名前にと変わっていた。
「⋯いや、気のせいじゃないかな」
「絶対うそ!謎の間があったもん、眞雪くん見たときいっつもそれだし⋯すきじゃないわけないでしょ!」
苦し紛れの嘘は、容易く見破られる。
自信満々に言い切る彼だったが、確かに自分でもこれをよく口にしているという自覚はあった。
(こういうのを、口寂しいっていうのかな)
この飴が口に入っていないと、どうにも落ち着かないのだ。
流石に自身の仕える主人の前では舐めることはないが、
もうずっと前からこのイチゴ味の棒付きキャンディを口にしていた気がする。
「眞雪も可愛いところ、あるじゃねぇか」
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「眞雪くん、いつもそれ食べてるよね。好きなの?」
いつものように席を取り囲まれたとき、花名森が言った一言。
彼は、眞雪の口にある棒付きキャンディを指差した。
白蓮の眞雪への呼び方は、いつしか苗字かフルネームから名前にと変わっていた。
「⋯いや、気のせいじゃないかな」
「絶対うそ!謎の間があったもん、眞雪くん見たときいっつもそれだし⋯すきじゃないわけないでしょ!」
苦し紛れの嘘は、容易く見破られる。
自信満々に言い切る彼だったが、確かに自分でもこれをよく口にしているという自覚はあった。
(こういうのを、口寂しいっていうのかな)
この飴が口に入っていないと、どうにも落ち着かないのだ。
流石に自身の仕える主人の前では舐めることはないが、
もうずっと前からこのイチゴ味の棒付きキャンディを口にしていた気がする。
「眞雪も可愛いところ、あるじゃねぇか」

