卒業が近づくにつれて、後回しにする言葉(また明日)が使われなくなっていく。
どうせ離れてしまうからと、どうせ欲しい答えを貰えやしないからと、勇気を出して恋の花を散らす人。どうせあと少ししか共に居ないのだからと、どうせこれ以上我慢したところで分かりあえやしないのだからと、ずっと離れたかった人間を傷つける人。
僕以外の皆が、躊躇わなくなっていく。

…僕も、好きだと言えばよかったな。
君に、僕のことが好きかって聞けばよかった。
卒業式の日に言って遠くに離れてしまおうなんて甘かったんだ。
もっともっと、早くすればよかった。
君に、伝えられなくなる前に。
君と__











君と、病室でしか会えなくなる前に。