「ありがと…。ここ車だよね?」
「そうだよ。」
眠たそうにしている朱鷺の代わりに虎牙さんが答えてくれる。
おそらく私はこの人たちに抱えられて車に乗せられた。
てことは、、誘拐?だったら大変だ。
「私の事誘拐っていうのをしようとしたの?」
「ん~、まぁ、それも正解。彼花のお母さんが俺たちに金を借りてて、それを取り返しに行ったの。」
そう朱鷺が話す。
「まぁ、そうはいっても、結局お金は見つかんなくてさ。だから、君のことをお金代わりにもらってきたってわけ。」
お金?もらってきた?
私にはまだわからない言葉がたくさん出てきて少し戸惑う。
「要するに、彼花は、お母さんに捨てられたってこと。」
超ド直球に何のオブラートにも包まず虎牙が言い放ってくる。
それを聞いて、自然と、目元が熱くなる。これは何だろう。