才能がなければ、または、他者を強く否定する言葉を持たなければ存在できない世界で、
上を見れば秀才天才ばかりの世界で、一般人としてギターを弾きつづける君と踊りつづける私。
笑われてけなされて、アルバイト先で愛そう笑いをして、どんどんむずかしくなる授業を聞いてテストで平均点以上をキープして、
他人に話を合わせて、クラスメイトたちとナカヨクして、流行りのものをチェックして流行りのメイクをして、
その裏で君は1日に何時間でもギターを弾きつづけ、私は過酷なダイエットをしながら踊りつづけていた。たったひとりでも良い。その拍手を求めて。
踊るんだ。(弾くんだ)誰かの目に留まるように。(耳をかたむけるように)ひとりでも。(ふたりでも)さらにむずかしい技を。(シンプルだけれどていねいな技を)引き裂かれるような痛みに耐えて。(引き裂かれるような喜びに耐えて)。信じるものがなくても。(信じられるものがなくても)一秒先が見えなくても。(つまらない将来が見えたとしても)。踊れ。(弾け)。踊れ。(弾け)。
存在証明を。(世界のどこにも存在しないような自分でも)踊れ。(弾け)ただ、
思うがままに!!
君の早弾きに薄暗い夜のにおいを感じる。陰湿で美しい。窓の金色が闇の色に染まりはじめるその刹那に君の紫色の髪から汗がコーラの泡みたいにはじけて香気立つ。
両手倒立フリーズ。そろそろと片手に移行。まだ安定しない片手フリーズ。右肩と腕と手のひらと指に全体重。きしんでふにゃりと折れる腕。もう一度両手で支える。止まる。全身が悲鳴を上げて震える。ビブラート。視界の端に窓の金色に黒が混じりはじめたのを捕らえる。音をひろう。両手で身体を支え両脚を回すトーマスフレア。痛い。痛い。痛い。痛い。音が。音が。音が。音が!! 心臓が。心臓が。心臓が。心臓が。君の指のすべての超高熱の超光速の超高音をひろおうとして、
刹那!!
「いきをすえ!!」
上を見れば秀才天才ばかりの世界で、一般人としてギターを弾きつづける君と踊りつづける私。
笑われてけなされて、アルバイト先で愛そう笑いをして、どんどんむずかしくなる授業を聞いてテストで平均点以上をキープして、
他人に話を合わせて、クラスメイトたちとナカヨクして、流行りのものをチェックして流行りのメイクをして、
その裏で君は1日に何時間でもギターを弾きつづけ、私は過酷なダイエットをしながら踊りつづけていた。たったひとりでも良い。その拍手を求めて。
踊るんだ。(弾くんだ)誰かの目に留まるように。(耳をかたむけるように)ひとりでも。(ふたりでも)さらにむずかしい技を。(シンプルだけれどていねいな技を)引き裂かれるような痛みに耐えて。(引き裂かれるような喜びに耐えて)。信じるものがなくても。(信じられるものがなくても)一秒先が見えなくても。(つまらない将来が見えたとしても)。踊れ。(弾け)。踊れ。(弾け)。
存在証明を。(世界のどこにも存在しないような自分でも)踊れ。(弾け)ただ、
思うがままに!!
君の早弾きに薄暗い夜のにおいを感じる。陰湿で美しい。窓の金色が闇の色に染まりはじめるその刹那に君の紫色の髪から汗がコーラの泡みたいにはじけて香気立つ。
両手倒立フリーズ。そろそろと片手に移行。まだ安定しない片手フリーズ。右肩と腕と手のひらと指に全体重。きしんでふにゃりと折れる腕。もう一度両手で支える。止まる。全身が悲鳴を上げて震える。ビブラート。視界の端に窓の金色に黒が混じりはじめたのを捕らえる。音をひろう。両手で身体を支え両脚を回すトーマスフレア。痛い。痛い。痛い。痛い。音が。音が。音が。音が!! 心臓が。心臓が。心臓が。心臓が。君の指のすべての超高熱の超光速の超高音をひろおうとして、
刹那!!
「いきをすえ!!」



