私は、誰かに必要とされたかった。
ずっと、ずっと。
両親には放置されて育った。
そんな彼らの気を引きたくて、私は小さい頃から必死にいい子を演じてきた。
いつしか、勉強、運動、家事なんでもこなせるようになっていた。
でも、どれだけ頑張っていようが、テストの結果を報告しても「そう」としか言われず、どれだけ運動会で活躍しようが、客席に両親はいなかった。
それでも必死に頑張った。
そんな私に着いたあだ名は「完全無欠の優等生」。

完全無欠の優等生な私はよく、街の端にある洋館へ行っていた。
1人になりたかった。
誰もいない静かで、でもそれとは反対に豪華な内装にうっとりして、そんな時間が好きだった。

でもあの日は違った、そう。
あの日からすべてが変わりだしたのだった。