「気をつけて行って参れ」
それから数日後、私たちは玄関前で挨拶を交わしていた。
私たちは先代様にここを任せ、これから帝都のタウンハウスに向かう。王国の貴族たちは先代様を「野蛮だ」と言って蔑んでいたけれど、あれは裏を返せば恐れていたのだと思う。
あの後、ふと疑問に思った事を聞いてみた。
彼らが『血濡れの死神との婚約』という話をしていた事から王国では、私は先代様に嫁ぐのだと認識していた。何故そのように勘違いしていたのか……そう訊ねれば、先代様と公爵様は笑いながら告げた。
「代替わりしたのは君が来る数ヶ月前の話だ。この件については大々的に公表していないからな」
これは皇帝陛下の命だという。
「『レオネルは格好いいからな。あっちの義妹に嫁ぎたいと思われても困るだろう?』と仰っていたわい。流石に考えすぎではないか、と思ったのだが……『念には念を』だそうだ。何せ帝国内では『鋼知の貴公子』と呼ばれ、人気があるんだろう? 本当に儂の息子か、と耳を疑ったわい!」
お腹を抱えて笑う先代様。そして恥ずかしそうにしながら眉間の皺を揉んでいる公爵様。そんな楽しい雰囲気のまま、私たちは送り出された。
それから数日後、私たちは玄関前で挨拶を交わしていた。
私たちは先代様にここを任せ、これから帝都のタウンハウスに向かう。王国の貴族たちは先代様を「野蛮だ」と言って蔑んでいたけれど、あれは裏を返せば恐れていたのだと思う。
あの後、ふと疑問に思った事を聞いてみた。
彼らが『血濡れの死神との婚約』という話をしていた事から王国では、私は先代様に嫁ぐのだと認識していた。何故そのように勘違いしていたのか……そう訊ねれば、先代様と公爵様は笑いながら告げた。
「代替わりしたのは君が来る数ヶ月前の話だ。この件については大々的に公表していないからな」
これは皇帝陛下の命だという。
「『レオネルは格好いいからな。あっちの義妹に嫁ぎたいと思われても困るだろう?』と仰っていたわい。流石に考えすぎではないか、と思ったのだが……『念には念を』だそうだ。何せ帝国内では『鋼知の貴公子』と呼ばれ、人気があるんだろう? 本当に儂の息子か、と耳を疑ったわい!」
お腹を抱えて笑う先代様。そして恥ずかしそうにしながら眉間の皺を揉んでいる公爵様。そんな楽しい雰囲気のまま、私たちは送り出された。


