公爵様は顔から血の気が引いている彼を止め、そこに声をかけたのがヘンリーだった。
「ヒュー殿、荷物は私がお預かりいたします。滞在中に用意させていただいた部屋へと運び入れておきますので、ご安心ください」
「あ、ありがとうございますぅ……」
ヘンリーがヒューと呼ばれた男性の荷物を軽々と持って出ていく。そして扉が閉まった後、公爵様が私たちに声をかけた。
「ここにいる者たちには先に紹介しておく。こちらにいらっしゃるのが、王宮魔術研究所から派遣された研究員二名だ……一人はヒュー殿。王宮魔術研究所に入所して三年ほどの若手だそうだ。だが、若いながらも研究所内での研究に精通しているため、今回彼が選ばれたとユーイン殿下が仰っていた」
「ヒューと申します。若輩者ですが、よろしくお願いいたしますぅ……」
緊張しているのか、小さく頭を下げるヒュー。その姿が小動物のようで、自然と守りたくなる気持ちが湧き上がってくる。特にシュゼットはまるで彼の母のような視線でヒューを見ていた。
そして公爵様は次の方を紹介しようとして……言葉に詰まっていた。
「……こちらのお方は――」
やっとこさっとこ声を出した公爵様だったが、その言葉は最後まで聞く事ができなかった。何故ならその前に彼が喋り出したからである。
「おお! 吾輩は王宮魔術研究所所長のトバイアスです! いやぁ、ここに来る事がずっと叶わなかったが、やっと来る事ができましたよ! これからよろしく頼みますね! 呼び方は何でも良いが、所長が一番反応できると思いますよ!」
「所長〜、よろしくお願いしますねぇ〜」
セヴァルがのんびりトバイアス……所長と話をしている。後でセヴァルに話を聞いたら、元々彼も王宮魔術研究所に所属していたのだそう。その時からの仲らしい。
それよりも、所長は王宮魔術研究所の主宰……長らしいのよ。
「所長……公爵家に来ても、良かったのですか?」
困惑した表情で告げるレオネル。私もそれは思ったの。だって長よ? 一番上がこちらに来て良いのかしら……って思うのは、当然よね。
レオネルの言葉に所長は眉間に皺を寄せて話し始める。
「吾輩だってずーーーっと順番を待っていたんですよ? 公爵家へ向かうための準備だってしていましたからね! 本当にこの時を何年待ちましたか!」
「ヒュー殿、荷物は私がお預かりいたします。滞在中に用意させていただいた部屋へと運び入れておきますので、ご安心ください」
「あ、ありがとうございますぅ……」
ヘンリーがヒューと呼ばれた男性の荷物を軽々と持って出ていく。そして扉が閉まった後、公爵様が私たちに声をかけた。
「ここにいる者たちには先に紹介しておく。こちらにいらっしゃるのが、王宮魔術研究所から派遣された研究員二名だ……一人はヒュー殿。王宮魔術研究所に入所して三年ほどの若手だそうだ。だが、若いながらも研究所内での研究に精通しているため、今回彼が選ばれたとユーイン殿下が仰っていた」
「ヒューと申します。若輩者ですが、よろしくお願いいたしますぅ……」
緊張しているのか、小さく頭を下げるヒュー。その姿が小動物のようで、自然と守りたくなる気持ちが湧き上がってくる。特にシュゼットはまるで彼の母のような視線でヒューを見ていた。
そして公爵様は次の方を紹介しようとして……言葉に詰まっていた。
「……こちらのお方は――」
やっとこさっとこ声を出した公爵様だったが、その言葉は最後まで聞く事ができなかった。何故ならその前に彼が喋り出したからである。
「おお! 吾輩は王宮魔術研究所所長のトバイアスです! いやぁ、ここに来る事がずっと叶わなかったが、やっと来る事ができましたよ! これからよろしく頼みますね! 呼び方は何でも良いが、所長が一番反応できると思いますよ!」
「所長〜、よろしくお願いしますねぇ〜」
セヴァルがのんびりトバイアス……所長と話をしている。後でセヴァルに話を聞いたら、元々彼も王宮魔術研究所に所属していたのだそう。その時からの仲らしい。
それよりも、所長は王宮魔術研究所の主宰……長らしいのよ。
「所長……公爵家に来ても、良かったのですか?」
困惑した表情で告げるレオネル。私もそれは思ったの。だって長よ? 一番上がこちらに来て良いのかしら……って思うのは、当然よね。
レオネルの言葉に所長は眉間に皺を寄せて話し始める。
「吾輩だってずーーーっと順番を待っていたんですよ? 公爵家へ向かうための準備だってしていましたからね! 本当にこの時を何年待ちましたか!」


