ユーイン殿下が訪れてから一週間後。
その日私はセヴァルたち魔術研究員の者たちと、魔宝石以外の媒体に複数の魔術を組み込む事ができないか、という点を議論していたところだった。セヴァルやシュゼットを含めた数人が会議室に集まり、魔道具や魔宝石、宝石などの見本を手に話し合う。
私は彼らの話を聞きながら、疑問点や賛同した意見、違和感を覚えた会話などを手当たり次第に手帳へ書き記す。この手帳はセヴァルの講義が始まった翌日の朝に、公爵様から戴いたものだ。
この手帳とセヴァルの講義のお陰で大分私も話が理解できるようになった。最近では、疑問を投げかけたり提案をしたりと少しずつ議論に参加できるようになってきていた矢先――。
「おお! 今ここの研究所ではこの件を議論しているのですね! 羨ましすぎます! ああ、諸君。もしよければ吾輩もこの議論に加わらせてもらっても良いですかね?」
聞き覚えのない声が会議室に響く。室内にいた私たちは声のした方へと顔を向けた。するとそこには、膝丈まである白い服を着た男性が佇んでいる。
見覚えのない方だと顔をまじまじと見ていると、後方の扉から聞き覚えのない声も聞こえた。
「所長〜! まずは公爵様にご挨拶してくださぁい……!」
両手にひとつずつ鞄を持った男性が泣きそうな顔で部屋に入ってきたのだ。顔を見たことのない男性が二人……。心当たりを思いついたところで、隣にいたセヴァルが声を上げた。
「お久しぶりでございますねぇ〜所長!」
「おお! セヴァルですか! 元気かね?」
「こちらで楽しんで研究しておりますよぉ〜」
どうやらセヴァルと顔見知りの方らしい。二人がユーイン殿下が話していた王宮魔術研究所の方なのだろう。そう考えていたところ、入り口から公爵様の姿が見えた。横には少し息を荒げているヘンリーがいた。
「やはり……こちらに……おいでででしたか」
公爵様が額に手を当てて、ため息をついている。
そんな彼に何度も「すみません、すみません」と頭を下げているのは、荷物を持っている男性だった。この様子を見ると……所長と呼ばれている彼に普段から振り回されている、そんな気がする。
その日私はセヴァルたち魔術研究員の者たちと、魔宝石以外の媒体に複数の魔術を組み込む事ができないか、という点を議論していたところだった。セヴァルやシュゼットを含めた数人が会議室に集まり、魔道具や魔宝石、宝石などの見本を手に話し合う。
私は彼らの話を聞きながら、疑問点や賛同した意見、違和感を覚えた会話などを手当たり次第に手帳へ書き記す。この手帳はセヴァルの講義が始まった翌日の朝に、公爵様から戴いたものだ。
この手帳とセヴァルの講義のお陰で大分私も話が理解できるようになった。最近では、疑問を投げかけたり提案をしたりと少しずつ議論に参加できるようになってきていた矢先――。
「おお! 今ここの研究所ではこの件を議論しているのですね! 羨ましすぎます! ああ、諸君。もしよければ吾輩もこの議論に加わらせてもらっても良いですかね?」
聞き覚えのない声が会議室に響く。室内にいた私たちは声のした方へと顔を向けた。するとそこには、膝丈まである白い服を着た男性が佇んでいる。
見覚えのない方だと顔をまじまじと見ていると、後方の扉から聞き覚えのない声も聞こえた。
「所長〜! まずは公爵様にご挨拶してくださぁい……!」
両手にひとつずつ鞄を持った男性が泣きそうな顔で部屋に入ってきたのだ。顔を見たことのない男性が二人……。心当たりを思いついたところで、隣にいたセヴァルが声を上げた。
「お久しぶりでございますねぇ〜所長!」
「おお! セヴァルですか! 元気かね?」
「こちらで楽しんで研究しておりますよぉ〜」
どうやらセヴァルと顔見知りの方らしい。二人がユーイン殿下が話していた王宮魔術研究所の方なのだろう。そう考えていたところ、入り口から公爵様の姿が見えた。横には少し息を荒げているヘンリーがいた。
「やはり……こちらに……おいでででしたか」
公爵様が額に手を当てて、ため息をついている。
そんな彼に何度も「すみません、すみません」と頭を下げているのは、荷物を持っている男性だった。この様子を見ると……所長と呼ばれている彼に普段から振り回されている、そんな気がする。


