王城で姿を見せないと怪しまれるから、とその日に転移陣で帰られたユーイン殿下がまた姿を見せたのは、二週間後の事だ。
この間、私は魔法と魔術だけでなく礼儀作法などの勉強も続けていた。講師はマルセナだ。と言っても、礼儀作法に関しては王国と似通っている部分が多いからか、ある程度学んだところでマルセナから「問題ない」とお墨付きをもらった。
そのため、最近は魔術や魔法に時間をかけている。
特に私は魔術の適性が高かったらしく、魔法の授業に比べて魔術の授業は数歩先を行っている。
まあ、魔法は仕方ないのかもしれない。以前の結果を見せてもらったところ、私は得意属性というモノがなかったのだ。
と言っても、全ての魔法が使えないのではなく……同程度に使えてしまうのだ。そのような人の事を『均衡の術者』と呼ばれているのだとか。そのため、私は魔法の実践練習に入った時点で、ジャイルズ以外の魔導士からも手解きを受けているために、魔法の習得に時間がかかっていた。
今回は魔術の授業中にユーイン殿下の訪れを知った。魔術の授業も現在では研究室で行なっているため、私は研究室から駆けつけた形になる。
「いやあ、今回もごめんね?」
今回も先触れがなかった事を言っているのだろう。お忍びで来ているのだから、仕方ない。私と同様に公爵様もそう考えたらしく、首を横に振って答えた。
「いえ、こちらはいつでも問題ございませんので」
「さすがレオネル! いつも助かるよ。じゃあ、今日は時間がないから巻きで。まずはこれを見てもらおうかな」
そう言って出されたのは、木箱だった。大きさは私の顔二個分……いや三個分くらいだろうか。
木箱は最近作られたものなのか、汚れなどは見当たらない。この中に何が入っているのか見当も付かない私は、公爵様の表情を窺った。けれども、公爵様も思い当たる節はないようだ。
「今回国賊を炙り出すって話をしただろう? エスペランサ嬢の件だけだと、いささか迫力に欠けるかもしれないと思ってね。これも囮にしようと話をしている」
木箱の蓋が取られると、そこに置かれていたのは……繊細な彫りが施されている丸い何かであった。なんだろうと首を傾げていると、隣から息を呑む音が聞こえる。公爵様の目は見開かれ、口も半開きの状態で固まっていた。
「で……殿下、こちらは初代皇帝陛下の所持していた宝物ではありませんか……?」
この間、私は魔法と魔術だけでなく礼儀作法などの勉強も続けていた。講師はマルセナだ。と言っても、礼儀作法に関しては王国と似通っている部分が多いからか、ある程度学んだところでマルセナから「問題ない」とお墨付きをもらった。
そのため、最近は魔術や魔法に時間をかけている。
特に私は魔術の適性が高かったらしく、魔法の授業に比べて魔術の授業は数歩先を行っている。
まあ、魔法は仕方ないのかもしれない。以前の結果を見せてもらったところ、私は得意属性というモノがなかったのだ。
と言っても、全ての魔法が使えないのではなく……同程度に使えてしまうのだ。そのような人の事を『均衡の術者』と呼ばれているのだとか。そのため、私は魔法の実践練習に入った時点で、ジャイルズ以外の魔導士からも手解きを受けているために、魔法の習得に時間がかかっていた。
今回は魔術の授業中にユーイン殿下の訪れを知った。魔術の授業も現在では研究室で行なっているため、私は研究室から駆けつけた形になる。
「いやあ、今回もごめんね?」
今回も先触れがなかった事を言っているのだろう。お忍びで来ているのだから、仕方ない。私と同様に公爵様もそう考えたらしく、首を横に振って答えた。
「いえ、こちらはいつでも問題ございませんので」
「さすがレオネル! いつも助かるよ。じゃあ、今日は時間がないから巻きで。まずはこれを見てもらおうかな」
そう言って出されたのは、木箱だった。大きさは私の顔二個分……いや三個分くらいだろうか。
木箱は最近作られたものなのか、汚れなどは見当たらない。この中に何が入っているのか見当も付かない私は、公爵様の表情を窺った。けれども、公爵様も思い当たる節はないようだ。
「今回国賊を炙り出すって話をしただろう? エスペランサ嬢の件だけだと、いささか迫力に欠けるかもしれないと思ってね。これも囮にしようと話をしている」
木箱の蓋が取られると、そこに置かれていたのは……繊細な彫りが施されている丸い何かであった。なんだろうと首を傾げていると、隣から息を呑む音が聞こえる。公爵様の目は見開かれ、口も半開きの状態で固まっていた。
「で……殿下、こちらは初代皇帝陛下の所持していた宝物ではありませんか……?」


