「いやぁ、素晴らしいですねぇ! お嬢様の魔力量は魔導皇女様であったバレンティナ様以上の魔力をお持ちです!」
鼻息を荒くしてセヴァルが詰め寄ってくる。シュゼットはそんな彼の襟元を掴んで、後ろに引っ張ってから話し始めた。
「バレンティナ様が最後に魔力を測ったのが十六歳……王国へと嫁ぐ直前に測定されていますよぉ。現在エスペランサ様は御年十八だとお聞きしておりますが……バレンティナ様の総量の成長速度から考えても、エスペランサ様の魔力総量が多いと判断されますねぇ」
「ちょっと待て、お前たちが導き出した結果によると、魔力は使う事で総量が増えるんだろう? エスペランサ嬢は魔力なしと王国で判定されてから、魔法は教わっていないと聞いている」
公爵様の仰る通りだ。
私は王国で魔力を使った事など一度もない。強いて言えば、五歳の時の魔力測定くらいだろうけれど……あれは意図的に魔力を使ったというわけではないはずだ。
難しい表情をして考え込んでいる公爵様と同様、何故私の魔力の総量が増えているのかが気になった。すると、今もシュゼットによって強制的に椅子に座らされていたセヴァルだったが、そんな彼女の引き留めも気にならないと言わんばかりに身を乗り出し、拳を強く握りしめて話し始めた。
「そこです! 私もそれが謎だったのですが、ある仮説が立ちましてねぇ! お嬢様、先程お返しした首飾りはいつ頃魔導皇女様より戴いたものか、覚えていらっしゃいますか?」
私は首をひねる。あの形見のネックレスがどうしたのだろうか、と。戸惑いながらも、私は言葉を紡いだ。
「あれは物心着いた時から持っていたと思うわ。もしかしたら赤ん坊の頃からじゃないかしら?」
あれはずっと首にかけられていた気がするので、そう答える。すると、セヴァルはその言葉が予想通りだったのか、目を輝かせながら話し始めた。
「あの魔術の中に、『封魔の魔術』という術がある、と私が告げたのを覚えていらっしゃるでしょうかねぇ?」
最初にセヴァルと対面したあの時の事だろう。確か、魔力を封印する術が『封魔の魔術』だったはずだ。そう私が話すと、彼は「仰る通りです!」と声高に告げた。
「あの後宝石をよくよく調べてみたのですが、『封魔の魔術』で封印されていた魔力を使用して、他の魔術が発動している事が判明たのですよぉ!」
鼻息を荒くしてセヴァルが詰め寄ってくる。シュゼットはそんな彼の襟元を掴んで、後ろに引っ張ってから話し始めた。
「バレンティナ様が最後に魔力を測ったのが十六歳……王国へと嫁ぐ直前に測定されていますよぉ。現在エスペランサ様は御年十八だとお聞きしておりますが……バレンティナ様の総量の成長速度から考えても、エスペランサ様の魔力総量が多いと判断されますねぇ」
「ちょっと待て、お前たちが導き出した結果によると、魔力は使う事で総量が増えるんだろう? エスペランサ嬢は魔力なしと王国で判定されてから、魔法は教わっていないと聞いている」
公爵様の仰る通りだ。
私は王国で魔力を使った事など一度もない。強いて言えば、五歳の時の魔力測定くらいだろうけれど……あれは意図的に魔力を使ったというわけではないはずだ。
難しい表情をして考え込んでいる公爵様と同様、何故私の魔力の総量が増えているのかが気になった。すると、今もシュゼットによって強制的に椅子に座らされていたセヴァルだったが、そんな彼女の引き留めも気にならないと言わんばかりに身を乗り出し、拳を強く握りしめて話し始めた。
「そこです! 私もそれが謎だったのですが、ある仮説が立ちましてねぇ! お嬢様、先程お返しした首飾りはいつ頃魔導皇女様より戴いたものか、覚えていらっしゃいますか?」
私は首をひねる。あの形見のネックレスがどうしたのだろうか、と。戸惑いながらも、私は言葉を紡いだ。
「あれは物心着いた時から持っていたと思うわ。もしかしたら赤ん坊の頃からじゃないかしら?」
あれはずっと首にかけられていた気がするので、そう答える。すると、セヴァルはその言葉が予想通りだったのか、目を輝かせながら話し始めた。
「あの魔術の中に、『封魔の魔術』という術がある、と私が告げたのを覚えていらっしゃるでしょうかねぇ?」
最初にセヴァルと対面したあの時の事だろう。確か、魔力を封印する術が『封魔の魔術』だったはずだ。そう私が話すと、彼は「仰る通りです!」と声高に告げた。
「あの後宝石をよくよく調べてみたのですが、『封魔の魔術』で封印されていた魔力を使用して、他の魔術が発動している事が判明たのですよぉ!」

