その日はマルセナとリーナに案内され、用意された部屋でゆっくりと休むことになる。
マルセナとリーナがテキパキと寝る準備をしているのを私はぼーっと見つめていた。今まで王国では侍女の手伝いなどあり得なかった。だって私は穢れた血だもの。
一人ではない湯浴み、寝床の準備がない、何かを頼めば持ってきてくれる……この場で起こる事が私にとっては初めての事だらけで、少し狼狽えてしまった。
リーナは気づいていないだろうけれど、きっとマルセナは私の不自然さに気がついているはずだ。
ただ彼女はできる侍女だ。あの場で訊ねる事はしなかった。
まあ……もし聞かれていたとしても、私は普通に答えていただろうけれど。
全ての支度が終わり、ベッドに潜り込んだ。
こんな温かい布団は初めてだわ、そんな事を思っているうちに私は自然と眠りについていた。
翌日、私は日の出と共に目を覚ます。
王国では大体仕事が終わらずに、いつの間にか寝ていた。そして陽の光で目が覚めてそのまま仕事に取り組む日もあったのだ。だからだろうか、光に敏感になっているのかもしれない。
ベッド左横のサイドテーブルの上には、水差しが置かれている。そして右横のテーブルには昨日セヴァルが持ってきた魔法書が二冊置かれていた。
一冊はデヴァイン王国のもの、もう一冊はソラル帝国のものだ。
ニコニコしながらこの二冊を持ってきたセヴァルは、私が興味深そうに本を見つめていたからか満面の笑みだった。
「私の研究所に来ていただけば、色々とお教えする事もできますので、ええ、是非! 是非!」
顔が近すぎるとマルセナにの手によって締め上げられたセヴァルだったが、それをものともしない表情で、私への勧誘を続ける。魔力量が多いことに加え、魔導皇女と呼ばれていた母を持つ私にきっと期待をしているのかもしれない。
まずは本を読んでから、と告げれば手をさすりながらセヴァルは「絶対ですよ〜!」と言いながら帰っていった事を思い出した。
「興味もあったし、読んでみようかしら?」
私は二冊の本を手に取り、読み比べながら進めていった。
マルセナとリーナがテキパキと寝る準備をしているのを私はぼーっと見つめていた。今まで王国では侍女の手伝いなどあり得なかった。だって私は穢れた血だもの。
一人ではない湯浴み、寝床の準備がない、何かを頼めば持ってきてくれる……この場で起こる事が私にとっては初めての事だらけで、少し狼狽えてしまった。
リーナは気づいていないだろうけれど、きっとマルセナは私の不自然さに気がついているはずだ。
ただ彼女はできる侍女だ。あの場で訊ねる事はしなかった。
まあ……もし聞かれていたとしても、私は普通に答えていただろうけれど。
全ての支度が終わり、ベッドに潜り込んだ。
こんな温かい布団は初めてだわ、そんな事を思っているうちに私は自然と眠りについていた。
翌日、私は日の出と共に目を覚ます。
王国では大体仕事が終わらずに、いつの間にか寝ていた。そして陽の光で目が覚めてそのまま仕事に取り組む日もあったのだ。だからだろうか、光に敏感になっているのかもしれない。
ベッド左横のサイドテーブルの上には、水差しが置かれている。そして右横のテーブルには昨日セヴァルが持ってきた魔法書が二冊置かれていた。
一冊はデヴァイン王国のもの、もう一冊はソラル帝国のものだ。
ニコニコしながらこの二冊を持ってきたセヴァルは、私が興味深そうに本を見つめていたからか満面の笑みだった。
「私の研究所に来ていただけば、色々とお教えする事もできますので、ええ、是非! 是非!」
顔が近すぎるとマルセナにの手によって締め上げられたセヴァルだったが、それをものともしない表情で、私への勧誘を続ける。魔力量が多いことに加え、魔導皇女と呼ばれていた母を持つ私にきっと期待をしているのかもしれない。
まずは本を読んでから、と告げれば手をさすりながらセヴァルは「絶対ですよ〜!」と言いながら帰っていった事を思い出した。
「興味もあったし、読んでみようかしら?」
私は二冊の本を手に取り、読み比べながら進めていった。

