私、エスペランサ・ホイートストンは謁見の間の中心で、一人礼を執っていた。

「あら、珍しい。『穢れた血』がこの場にいるなんて」
「国王陛下が毛嫌いしている彼女をここに呼び寄せるなんて……重大な発表なのだろうな」

 周囲の貴族たちは、頭を下げている私を見て嘲笑する。

「公爵令嬢である者が、最初に入らされてずっと礼を執らされているなんて……本当に可哀想ね」
「仕方がない。『穢れた血』なのだから」

 そう言って笑う彼ら。私は何も言う事ができず、下を向くだけだった。