手も繋がないキスもない。


でもまったくないわけじゃ実はない。


手を繋いだこともキスしたことも実はある。



破瓜をもう実はしてたりもする。


でも数えるくらいしか。キスも何もかも。



そうしてハルは私の部屋に来たら否や、


急に抱きしめて来た。



私もそれに応え抱きしめ返す。



遥が口を開いた。



「ねぇ、歌羽俺をどうしたい?

キスしてほしい?手を繋ぎたい?

それともいやらしいことをしてほしいの?」


遥は普通に言うけど顔がいつもの遥じゃない。


私に怒っているのだろう。

抱きしめてたうでを解かれたと思ったら、


怖い顔をしてた。まるで獲物を狙う獣のように。


「ねぇ、答えてよ。歌羽」 



腕を掴まれ抵抗ができない。


男の子…男の人には力では敵わない。



「ハル、離して。着替えるから部屋出て」


流石にまずいと気づいたので


着替えようと思った。


でもそれをさせなかった。

させてくれなかった。




「歌羽。着替えるなんて今更何言ってんの?

させないよ、そんなこと。逆に脱げよ。全部」


お互いが同意もしない時に、

こんなことを言われるのは初めてだった。


混乱するし肩が震えだした。


いつもはそういうことをしてても


遥は優しかったし暖かかった。


そういうのを今は全く感じない。



恐怖さえ覚えた。

遥に私は言葉を返した。


「ハル、ごめんなさい。私がいけなかった。

でも今さすがにこんなことしたくない。

やめて。」



遥は表情を少し変え笑顔を見せた。


そう思ったのだが。


「歌羽、脱いで。全部。

俺にその下のやつ見せる気だったんでしょ?

他の男にもそんなことする気なの?」



私は恐怖になりながら遥に必死に抵抗してみる。


「ハル、嫌!やめて!離して!」



流石に少しハルの手が緩んだ。


「ウタ、良いよ。離してあげる。ほら。」