そうして季節は未だ夏。



高校3年生を騒がせた4人組は帰宅になった。


遥のバイトは今日は休み。


自宅警備員を歌羽に解除させ向かったのは…


夏の当たり前の1つ。プールである。


雪と陽菜も一緒に4人で。


着替えたあと陽菜はウキウキで

プールに飛び込む


それを追いかけていく雪。



遥はそっと手をつなぎながら

歌羽とプールに入る。


何を隠そう歌羽は泳げないのだ。


「ハル!手を離さないでよ!絶対だから」

「歌羽、大丈夫だから。足ついてるでしょ」

「それでも怖いの〜!!!」


才女である歌羽の唯一レベルの弱点だ。

「俺と少し潜るよ」

「んっ…ぷはぁ!

やっぱり怖い〜!!!」

「俺がそばにいるから大丈夫」

(…さて、俺も雪も二人から

離れないのは虫除け、

害虫駆除、その他…etcってとこか。)

「歌羽、でも泳ぐ目的で

来てるわけじゃないんだから遊ぼうよ」

バシャッと歌羽に水を掛ける遥。

「わっ!やったねぇ〜!!それ〜!!」

「歌羽、ちょっ、仕返しだ〜!」

陽菜がまじり始めた

「歌羽、私も混ぜて〜!!」

「おい、内海やめろって!」

雪がまじり始めて

バシャッ

「きゃー!!雪くんやばいから!」


「陽菜と歌羽が遥いじめるからだろ〜?」


そんなこんなであっという間に昼。



なんでってくらいフランクフルトを

食べまくる4人



「歌羽マスタード使わないなら俺にちょうだい」


「うん!遥ケチャップちょうだい!」


そんな二人をよそに黙々と食べる雪と陽菜。

「陽菜」


「雪くん?」


「水着似合ってるよ、

歌羽と買いにいったんでしょ」


「私は持ってたけど、

歌羽スク水しかなかったから」


「だよなぁ、歌羽泳げなくて

プールとか海は好きでも苦手だもんな」


「歌羽の唯一に近い弱点だよね

ほかは結構何でもできちゃうからさ」 


「家庭科の裁縫とか針と糸でやるものなのに

細いはさみ使ってやってたもんな」


「お父さんが毎日反復練習やってたの見てたし

教えてもらってるからって 

あの当時言ってたけど

でも先生からよくできてるって

はさみでやってたのに

って言われたら歌羽なんて言ったと思う?」



「全部解いて針と糸で縫いなおしましたって

言ったんだよな」


「裁縫とか縫い物めちゃくちゃ早くて

きれいだったけど、

指絆創膏だらけだったなぁ」


「遥言ってた、放課後に残って

家庭科室の鍵開けてもらって

毎日やってたって」


「歌羽恥ずかしがりやだよね」

「うん」


そんな会話を気にせず

大食いで食べまくる歌羽と遥。


「遥、早食い競争でもする?」


「しないよ!ゆっくり食べなって」


「いやいやオンコール入ったら

食事食べれないじゃん」


「医者の体で考えないの」
 


「だってお母さんが、

食べれるときに掻き込むのよって」


「医者家族のあるあるか」


「うん、そんなとこ」



午後もプールに入り遊びまくる4人。


ウォータースライダーに行き何故か叫ぶのは


怖いではなく、ごめんなさいだった4人。


甘く見てたのか。


ウォータースライダーを。


遊びすぎてクタクタになりながら帰宅するのだった。