雪がステージ上に上がり宣言する。


「生徒諸君!

自分の愛する人に愛を叫べー!!!

愛の告白もプロポーズも可能!

ただし告白に野次を飛ばすのも!

周りがブーイングするのもなし!

それが俺が決めたルールだ!

守れるかー!貴様らー!!!」

『当たり前だー!!!』

「んじゃ、司会進行よろしくぅっ!」


雪の宣言で大盛り上がりなところで、

司会者が言う。


「エントリーNo.1 海堂 雪さん!」

『はぁっ!?』

「トップバッターは俺!海堂雪だ!」

司会者が聞く。

「告白のお相手は!?」

「3年A組 内海陽菜!」


横で見ていた歌羽に緊張が伝わる陽菜。


(…陽菜、緊張してる。それはそうだ。

全校生徒の前で告白されるんだもんなぁ。

そういや遥結局どこだ?)


雪が口を開く。

「俺は、小学校の頃から陽菜と


ずっと一緒だった!

付き合い始めたのも中学生のときで、

陽菜に告白してOK貰えたときは

すごく嬉しかった!

俺は、陽菜がずっと大好きだ!」


涙を流しながら陽菜は雪を見つめている。


雪は陽菜を引っ張ってステージ上に上げ、

陽菜の前でひざまずく。

陽菜の目を見て雪ははっきりと告げた。

「陽菜、俺とずっと一緒にいてほしい。

結婚してください!!」

その瞬間男子と女子で反応が分かれた。


『うぉぉぉぉぉーーー!!!!』


『きゃあぁぁぁぁー!!!!!』


司会者が告げる。

「この告白承諾しますか?内海陽菜さん。」

陽菜は息をのむ。


「はい!雪くんのお嫁さんになります! 

よろしくお願いします!」

司会進行が進む。


「ではこのお二人に盛大な拍手をー!!!」



大きな拍手が鳴る中、雪は陽菜の唇にキスをした。


ステージ袖から覗いてた遥は驚いた表情をしている。

(…やっぱあいつすごいわ。

堂々としてるしはっきりしてる。

また女子の黄色い悲鳴?

はぁ!?あいつ全校生徒の前で

キスとか正気か!?)

思わず固まった歌羽。

(…陽菜やばい彼氏持ってんな…。

雪くんの行動力やばすぎ。)


そんなこんなでステージから捌ける二人。


そんな二人の会話は…

「愛してるよ、陽菜」


「雪くん、私も」


甘々だった。

着々と進んでいくが、遥が一向に出てこない。


ここで雪から衝撃発言が。

「遥、お前はラストな。大トリだ。」

思わず声が出る


「はぁ!?
相変わらずお前の考えてることは突拍子もねぇなぁ!」


司会者が宣言する。


「次でラストです!

エントリーNo.30 月島 遥さん!」


出ていった瞬間女子の悲鳴。


『きゃーーー!!

月島くん!

月島先輩!

遥先輩!!』


思い思いのラブコールが叫ばれる

司会者が尋ねる。

「告白のお相手は?」

遥はサラッと間を置かず答える。

「3年A組 星野歌羽さん」

すぅ…と息を吸い遥は話し始めた。

「俺は、何人もの女の子に告白されようが

俺は一人しか愛せない。

それは歌羽。君だけだ。

絶対に俺は君を幸せにする。

だからずっとこれからも

俺のそばに居てほしいんだ」


歌羽は自分からステージに上がってきて


遥の手からそっとマイクをとる。

「遥、ずっと愛してくれて

好きでいてくれて、ありがとう。

女子に私は宣戦布告する。

それでもまだ遥を狙う女は徹底的に排除する。

学年なんて関係なしに。

私は月島遥の婚約者だから。」

歌羽は宣戦布告した。全校の女子に向けて。


そんな宣言をしたあと 

つつがなく皐月祭は終わった。


皐月祭が終わったあと、


遥と雪は二人で話していた。


「雪、お前皐月祭が終わったら

内海にプロポーズするって言ってなかった?」

「騙して悪いな、陽菜驚かせたくて」

遥は話す。

「ま、とにかくおめでとう。

内海のこと幸せにしろよ」

雪が返事を返す。


「そんなの当たり前だから。

あ、姉さんたちに連絡しないと」

雪には双子の姉がいる。


23歳で二人とも籍を入れたっていう。


遥にとっては義姉に当たるのが片方いる。


なぜかって。


雪の双子の姉たちが結婚したのは、


遥の兄と歌羽の兄だからである。

遥は雪に話す。


「六花さん呼ぶの?

良いだろうけど楓兄が黙ってなさそう」


雪が遥に話す。


「六花姉さんだけじゃない。

花音姉さんも呼ぶ。」

(…雪が兄貴から睨まれないと良いけど。

楓兄、奥さん大好きに見えないって言われるけど

溺愛してる人だからなぁ)

皐月祭はつつがなく幕を閉じたのであった。