ときはあっという間に5月5日ハルの誕生日だ。

GWと言うなの祝日。

今日は二人で出かける予定だ。

朝からきちんと支度して可愛くしてみた。

ハルが喜んでくれるといいのだけど。

ピンポーンと、遥宅のインターホンを鳴らす。

「はーい」

出たのはハルのお母さん。

カチャッとドアが開く。

「あら!歌羽ちゃん!おはよう!

遥ならまだ支度してるけど…ここで待つ?」

そうしたらすぐ後ろにハルがきた。

「母さん、俺支度できてますけど。

ここで待たせるんじゃなくて

俺の部屋上げて構わないんだけど?」


母が反論。
「あんたのそれ許可したら

歌羽ちゃんに何するか

わかんないでしょー!!!」

ハルが母に言う。
「んじゃ、行ってくる。

夕飯とかは全部外で済ませてくる。

今日で俺18だし、

歌羽のことも送るから大丈夫」


「行ってらっしゃい。

歌羽ちゃんに手は出さないこと。

それは絶対だからね!」

「約束はできないけど?だって彼女だもん」

「コラー!!バカ息子!!」

あれからお互いの呼び方が少し変わった。

私はハルの事を遥って呼ぶようになって

私の事を遥は歌羽って呼ぶようになった。

ショッピングモールをぶらつきながら

昼食を取り二人で過ごす。

プレゼントを渡すと遥は笑顔を見せた。

バイト頑張ってくれてありがとうって

言われた。


内緒にしてたのに

なんで知ってるんだろうと思った。

遥は、ネタバラシをしてくれて

雪くんから聞いたって。

雪くんがたまたま見かけて教えてくれたって。

雪くんめ…。陽菜をいじり倒すか!

と斜め上の計画を練りだす私。

遥はニコニコしてて

いつも以上に笑ってくれる。

面白い話をしたら

腹を抱えて涙を流して笑ってた。

あっという間に時間は過ぎて夜。

夕食は豪華なレストラン。

自分は雰囲気に飲み込まれそうになりながら

ご飯を食べる。

歳を重ねてどんどん大人になっていく自分達。

だけど、そこには不安もあった。

幼稚園から一緒の遥は中学で声変わりして

高校になってどんどん背が伸びた。

おいて行かれないか不安なのだ。

捨てられてしまわないか。

大人の女性に惹かれるのではないか。と、

夕食を食べ終わり帰路につく二人。

「歌羽、送るよ」

遥に言われてはっと息をのみ、

「待って!まだ一緒にいたい!

帰りたくない!」

駄々をこねるかのように言ってしまった。

遥がニコッと笑って

「じゃあ俺の部屋来てくれる?」

と聞いたので、

私は頷き遥の家に入っていくことにした。

お母さんに案の定見つかったので

ごちゃごちゃ言われたそうだ

〜回想〜

「歌羽ちゃんを部屋につれていくの?

何もしないのよ!」


「うるさいよ。母さん。
今日で俺も18だよ。
もう自分の力で歌羽を護るから。
母さんにはもう口は出させないから。
自制だってなんだってきちんとするから。」

〜戻って〜

「歌羽。渡したいものがあるんだ」

歌羽が振り向いた。

「ん?なーに?遥」

「目、閉じてて」(頷く)

「開けていいよ」

そこには左手薬指に指輪と首にネックレスが下げられていた。

「……え?」

「高校卒業したら俺と結婚してください。

絶対に幸せにするから。」

涙をポロポロと零し笑顔を見せる歌羽。

「よろしくお願いします!」

歌羽は笑顔と涙を交えながら

返事を返してくれた。