「あっ……ひっ…」
押し殺した私の泣き声は、嗚咽となって夕暮れの町に吸い込まれていった。
自転車に乗る気力すら湧かなくなってしまうほどに、私は蒼太が告白されたという事実に深く傷ついていた。
カッターシャツの袖で涙をぬぐうと、「あれ、夏凜?」という声が聞こえてきた。
きっと今、私はひどい顔をしている。
「大丈夫?顔赤いけど…」
涙をしっかりとぬぐってから腕を下ろすと、そこには驚いたような表情を浮かべた、私服姿の詩葉が立っていた。
「詩葉…」
「お母さんに牛乳買って来いって言われて、しぶしぶ行ってたら夏凜が泣いてたもんだから。」
飄々とした表情で話す詩葉の横顔を見ていると、なんとなく彼女には打ち明けられそうという気持ちが湧いてきた。



