大好きな先輩は(S)王子様でした(マンガシナリオ)

「本当に可愛いよ」

「っ……?」

そう言った茅実先輩の顔に胸がドキリと高鳴る。

だって、何故か愛おしそうに見えてしまったから、そんなはずないのに…。

茅実先輩の手の力が優しくなった。

優しく優しく、壊れ物を扱うかのように、包みこむように。

「会長さん?」

「俺にはね、可愛くて仕方がないよ。それはね、由乃だから。由乃、驚いたでしょ?俺が初めて顔を見たはずなのに、すぐに由乃が由乃だって気付いたこと」

っ…そう、私は、それを聞こうと思っていた。