けれど、後ろからキシッという、ベットの軋む音がしてすぐ、私の体が力強く持ち上げられる。

「ダ~メなんだけどなぁ」

茅実先輩が何かを呟いていたけれど、私は今何故茅実先輩に抱き締められているかに頭がついていかず、真っ赤になって、心臓がうるさくなっていた。

「由乃、本当に可愛いね。そんな顔も、声も行動も、俺以外にしたら、許さないから」

その熱を帯びた、艶かしくも鋭い瞳は、私だけをきれいな瞳に写していて、目が離せなかった。

「いいよ。一緒にいよう。由乃」

また茅実先輩は私の髪から指を通して柔く撫で始めた。

っ……、なんだろう?この抗えない感じは…。