他の男の口から、由乃の名前が出てくるのは、あまり良い気がしない。

「イデデデ分かった分かった言わない言わない」

久助はギブキブと言うように俺の締め上げている腕を叩いた。

仕方がないのでパッと離す。

「おまえ本当にあの子にご執心だよな。モテるだろうに、学校に来てない子をどうやってそんなに好きになるんだよ?」

その言い方に俺はキッと久助を睨んだけれど、どうやって好きになったかと聞かれれば…

「言わねぇよ」

「うわ、独占欲…」

「うるせぇ」