「かやみん、何してんの?」

ベランダに出て、登校してくる人の中から、由乃を探していると、既に、教室の中にはたくさんの生徒が入っていたらしく、よく話す友達の、加田久助がこちらへやって来た。

「久助…、おはよう。何してるって、見ての通り、外見てるだけだけど?」

「いいや?今のはかのご執心になっている、由乃ちゃんを探してる目だったな」

うっ、頭はよくないくせに、相変わらず勘は鋭いな…。

つーか…。

俺はガッと久助の首を腕で締め上げる。

「由乃ちゃんって呼ぶんじゃねぇよ」