っ…誰かに自分の方が何かより大切だと言われるのは、こんなにも嬉しいことだったんだ。

どうしよう、夢にまでみた、茅実先輩とのお話し中なのに…涙が、溢れて…。

一度せきをきった涙はずっと溢れていた。

「あ…がとう、ございます…!ありがとうございます!すごく……嬉しいです」

これは、嬉しい気持ちのつまった涙だ。

私は苦しくなくても、涙を流せているんだな。

また、茅実先輩の優しくて低い声が耳に届く。

『うん、喜んでもらえて、俺もとっても嬉しいよ』

ふふっ、なん歩先を歩いているんだろう?上手な人だなぁ。