この人の暖かい声は、罪だなぁ。
我慢して、溜め込んできたものを、吐き出してしまいたくなる。

ダメだ、この後だって、授業は続くだろう。
そろそろ5時限目の時間に入る。

私は、きっとこのままこの人に話を聞かれていると、長くしゃべってしまう。

吐露して止まらないのだろう。

だから、やっぱり、耐えなくちゃ…。

「会長さん…その、お時間の方は大丈夫ですか?そろそろじゃないですか?」

私の電話なんかより、ずっと大切なことだ。
あたりまえのことでしょう?

『いや、それは、後でどうにでもなるよ、今は君と話している方が大切だ』