大好きな先輩は(S)王子様でした(マンガシナリオ)

私は目を伏せると、すぐに茅実先輩に背を向けて、横に逸れて走り出した。

運動神経皆無の私が、今日1日たくさん走って走って、どこに目的地があるわけでもなく走った。

そっか、そっかそっかそっかぁ…。

茅実先輩、もうそんなに、私のこと無理になってたんだなぁ。

私、察しが悪いんだなぁ、全然、気付けなかった。

茅実先輩、私のことなんてもう好きでもなんでもなかったんだぁ。

既に、もう私のいる隙間なんて、入る隙間なんて、心の片隅にも一つもなかったんだ…。

私の涙で濡れた場所は冷たい風が、より一層冷やした。