どうして由乃がここにいるのだろう?

抱き締めそうになるのをぐっと堪えて、由乃に話しかけた。

「由乃さっきの電話どうしたの?何かあったの?どうしてここにいるの?」

学校であったけれど、由乃不足で死にかけていた俺は由乃の電話で癒されつつ、由乃のいない空間で頑張っていたつもりだった。

由乃と少しでも離れると、不安で苦しくて、どうにかなってしまいそうだった。

「…ごめんなさい」

……え?

なんでそんなに、諦めたような顔で、謝罪なんて…。

「茅実先輩、最近はもう私に触れてくれなくなりましたよね」