なっ

「そこまでしませんよ、由乃を抱き締めるんです」

「じゃぁ、由乃ちゃんの骨が折れちゃうほどぎゅうぎゅうにしちゃいそうだからダメね」

な、なんなんだ、この人…、由乃を預ける相手として、人選はミスっていないと思うが、俺からまで守るなんてっ。

けれど、確かに、由乃を大切にしたいなら、我慢すべきなのか…?

ぐっと拳を握りしめてこらえると、予鈴がなった。

由乃に聞こえないように舌打ちをしたのだが、先生が俺を冷ややかな目で見ていた。

保健室をでると、由乃は保健室の扉から顔を出して、健気に手を振ってくれる。