勇気を出して、その日に踏みとどまる。

「よく頑張ったわね、由乃ちゃん」

先生…。

細やかな気遣いが暖かくて、心に沁みてくる。

私はにっこりと笑った。

「ありがとうございます」


そこから、度々帰りたくなることがあったけど、先生が根気強く連れていってくれて、やっと校門をくぐった。

先生たちのはからいで、登校に時間を掛けて、生徒の少ない時間に通ることを許してくれた。

保健室に着いて、ポフッと座ると、一息ついた。