気がついたら、由乃の唇を奪っているし、いつの間にか、由乃が真っ赤な顔ではぁはぁと過呼吸になっていたりする。

俺、全然大切に出来てないっっ。

ふらふらとリビングに向かうと、由乃がアイロンを掛けていた。

由乃はこの家に来てから、何も出来ない、返せないとか言いながら、完璧に家事をこなしていた。

きっと、自分しかしていなかったのだろう、動きは慣れ親しんだものだった。

外から帰ってきた俺に気が付いたのか、由乃はパタパタと駆け寄ってきた。

可愛…小動物かよ…。

「会長さん、お帰りなさい!」