至上最幸の恋

 それから、子どものころや両親のことなど、いろいろな話をした。

 ほとんどエリサが喋っていて、オレは相槌を打ったり、質問に答えたりするだけ。それでもやたらと楽しくて、あっという間に夜が更けていった。

 翌日は、エリサとともに、ご両親へ挨拶に伺った。
 急な話ではあったが、エリサの気持ちや仕事の状況を考えると、先延ばしにはしたくなかった。

「エリサの選んだ方なら、なにも心配していませんよ。人生はいろいろありますから」

 オレが離婚したばかりだということも正直に伝えると、エリサの父親は柔らかい表情でそう言った。

 なぜエリサがこんなふうに育ったのか、よく分かる。
 父親は温和で懐が深く、母親はおおらかで、常に笑顔を絶やさない。

 エリサは、5歳年上の兄にも相当かわいがられて育ったらしい。兄は弁護士として働いており、現在はニューヨークで妻子と暮らしているそうだ。

 家族の愛情をたっぷり受けて育ったからこそ、こんなに明るく素直な性格になったんだな。

 ご両親への挨拶を済ませたあとは、エリサの事務所への報告が待っていた。

 イメージ戦略だのスキャンダル厳禁だの、これまでいろいろと釘を刺されてきたらしい。もしかすると、簡単には認めてもらえないかもしれない。

 ところが、事務所からの許可は思いのほか早く下りた。

 どうやらエリサのマネージャーが、結婚によって好感度の向上も期待できると、事務所の社長やチーフマネージャーを説得してくれたらしい。