至上最幸の恋

「本当にお分かりになっていますか? 私がどれほど、瑛士さんのことが大好きなのか」

 不満げに口をとがらせる表情も魅力的だな。思わず見惚れてしまう。

「私は瑛士さんだけを想ってきました。ウィーンで出会ったあの日から、ずっと。瑛士さんがいたからこそ、いまの私があるんですよ」

 エリサが、オレの胸に頬を寄せた。

 4年という時間が、彼女にとってどのようなものだったのか、オレには分からない。
 ただ、帰国してすぐにオレを探していたことを考えると、ずっと強い想いを抱いてくれていたのだろう。

 それに比べて、オレは……。

「……よく、分かっているよ」

 エリサの柔らかい髪を撫でる。

「オレも、エリサがいたからこそ描き続けてこられた。オレの世界に色をくれたのは、エリサなんだ」

 エリサを抱き寄せたまま、ゆっくり上体を起こす。

 互いに部屋着で格好はつかないが、オレからもきちんと伝えたいと思った。

「結婚しよう。正直、長生きする自信はねぇけど、オレの残りの人生はエリサと一緒に歩みたい。この世で最後に見るのは、エリサの顔がいい」

 宝石のような瞳が、オレを映している。それがみるみる潤んだあと、大粒の涙がこぼれた。

「します。瑛士さんと、結婚します」
「ご両親に予定を聞いておいてくれ。挨拶に行くから」
「はい!」

 また抱き合い、口づけを交わした。

 指輪もなにもないが、形にこだわらないのは、オレたちらしいのかもしれない。