至上最幸の恋

 この状況で、オレがどれだけ耐えなければならないか……どうやら理解していないらしい。2階の自室で寝るつもりだったというのに。

 そんなことも知らずに、いつもはベッドだから新鮮だと言って、エリサははしゃいでいる。

「でも、瑛士さんが遠いです……」

 寝転がったままエリサが腕を伸ばすが、オレの布団にはまったく届かない。うっかり触れてしまわないように、かなり距離を空けたからな。

「当たり前だろ」
「どうしてですか?」
「手が届くということは、手を出せるってことだ」

 エリサは首を傾げたが、分からなくて結構だ。
 ひとまず自分の布団を整えるついでに、もう少しだけ布団を遠くへずらしておいた。

「明日は仕事か?」
「お休みです。明後日はお昼から都内のスタジオなので、ゆっくりできますよ」
「そうか。もう少し遺品整理をしておきたいから、東京へ戻るのは夕方くらいでいいか?」
「……それまで、ここにいていいんですか?」
「ん? 一緒にいるんだろ?」
「います!」

 その言葉と同時に、エリサが思い切り抱きついてきた。勢い余って、そのままふたりで布団の上へ倒れ込む。

「瑛士さん、大好きです」
「分かったから……どいてくれ」

 エリサの髪の香りが鼻腔をくすぐる。この状態で理性を保つのは、かなりの苦行だ。