至上最幸の恋

「もう、離ればなれは嫌なんです。想いが通じたと実感したいんです」

 ……あぁ、そうか。なぜそんなに急ぐのかと思ったが、そういうことか。

 エリサは多忙だし、きっとまた、会えない日々が続くのだろう。そうすると、不安の芽が顔を出してくるかもしれない。

 早く一緒になりたい。家族になりたい。それはオレも同じだった。

 ただそれと同時に、エリサの足を引っ張りたくないという気持ちもある。彼女がここまで築いてきた立場を守るのも、大切なことだ。

 エリサを見つめると、もう一度そっと体を抱き寄せた。
 頬を伝う涙を拭い、そのまま唇を重ねる。やわらかくて、抱き合うよりも、もっとぬくもりを感じた。

「……今日のところは、これで勘弁してくれ」

 唇を離してそう言うと、エリサは不満げに頬を膨らませた。

「ずるいです、瑛士さん」
「ん?」
「不意打ちなんて、ずるいです。ですから、もう一度お願いします」

 ……なかなか強欲だな。そんな一面もあるのか。
 知らないことは、まだまだたくさんある。ひとつずつ、ゆっくりと紐解いていけばいい。

 見つめ合って笑い合い、もう一度唇を重ねた。

 それから、同じ布団で寝たいと言うエリサをなんとか説得して、和室に布団を二組敷いた。もちろん、布団の間はしっかり空けてある。これでも眠れる気はしないが。

「なんだか、学校の修学旅行みたいですね」

 布団に寝転ぶと、エリサが無邪気な笑顔を見せた。