至上最幸の恋

 心地よくて、不思議なほど落ち着く。

 一瞬、律のことが頭をよぎる。オレは最低な男だ。それでも、やっと感じられたこのぬくもりを、もう失いたくない。

 なにを言われても、どう思われてもいい。オレはエリサが好きだ。

「瑛士さん、大丈夫ですよ」

 抱き合ったまま、エリサがオレの背中を優しくさする。

「瑛士さんのぶんまで、私がたくさん喋ります。ですから、大丈夫です」
「……ああ、頼もしいよ」

 母親に抱かれた赤子とは、こんな気持ちなのかもしれない。大きな愛に包まれているような感覚だ。

 ただ触れ合っているだけで、満ち足りた気持ちになる。胸の痛みは、いつの間にか消えていた。

「あの、瑛士さん……」

 しばらくして、オレの胸に顔を埋めたまま、エリサが口を開いた。

「今夜は、その……お、お泊まりしても……」
「あー……そりゃまぁ、こんな時間だしな」

 腕の中で、エリサの体に少し力が入ったのを感じた。

 泊まらせるしかない状況ではある。しかし、覚悟を決めていると言われてもな。

 さすがに急展開すぎるし、なんの準備もない状態だ。このまま一線を越えて万が一のことがあれば、エリサの仕事にも影響する。ここは自制しなければならない。

「あのな、エリサ」

 体を離し、エリサを真っすぐ見つめる。不安と期待が入り混じった、複雑な表情だ。