至上最幸の恋

 こんな思いをするのは、もう嫌だ。
 たとえ言葉を選ぶ余裕がなくても、伝えようとしなければ、なにも始まらない。

 思考はまとまっていないが、とにかく懸命に話そうと思った。

「同じことの繰り返しで、オレのこの性格は、なかなか変えられないかもしれない。画家として大成できないかもしれない。ましてや離婚したばかりの男なんて、周囲が認めてくれないかもしれない」

 エリサはほとんど瞬きもせず、じっと話を聞いてくれている。

 この大きな瞳が、もう二度とオレに向けられることはないと思っていた。きっと彼女は、磯崎の隣を歩いていくのだと。

 それなのに、いまここにいる。オレの目の前に。
 こんな奇跡、手放すわけにはいかない。

「それでも……それでもオレは、エリサだけは失いたくない。だから、オレのそばにいてほしい。いてくれないか」

 懇願するような言い方になってしまった。
 しかし、これが出会ったときから心の奥にしまい込んでいた本音なのだと、ようやく気がついた。

 見開かれたエリサの瞳が、みるみる潤んでいく。そして、何度も首を縦に振った。

「はい、います。瑛士さんのおそばに、ずっと」

 オレの部屋着を着ているだけなのに、どうしてこんなに綺麗なんだろうな。

 エリサの隣へ座り、そっとその体を抱き寄せた。