至上最幸の恋

 考えてみれば、昨年からいろいろあったな。
 エリサとの再会をきっかけに、人生の歯車が大きく動き出したのかもしれない。

 これからどうする。
 自分の気持ちは、改めて言葉で伝えるべきだろう。

 しかし、離婚したという事実が重くのしかかる。画家としての不安定な生活を思うと、どうしても二の足を踏んでしまう。

 ……いや。ここでまた躊躇していたら、同じことの繰り返しだ。

 とにかく、自分の想いはすべてエリサに伝えよう。格好つける必要もない。世間体も、クソくらえだ。

 気持ちを固めて風呂から上がると、エリサが麦茶を淹れて待っていてくれた。

「今日は少し冷えるので、温かい麦茶にしました。といっても、お風呂上がりなので、少し冷ましてありますけど」
「ああ、ありがとう」

 エリサの向かいに座り、湯のみに入った麦茶を喉へ流し込む。少しぬるめで、風呂上がりにはちょうどいい温度だ。

「あの、瑛士さん」
「ん?」

 湯のみを置き、エリサが姿勢を正した。

「私と結婚してくださいませんか?」

 ……まさか、またこの台詞を聞けるとはな。

 やはりエリサは、なにひとつ変わっていない。
 自分自身は真っ白なのに、オレには極彩色の世界を見せてくれる。唯一無二の存在だ。

「あ、も、もちろん、いますぐというわけではありません。事務所に相談しなくてはいけませんし、両親にもきちんと話しをして……」

 今度は、頬を赤くして焦り始めた。まったく、見ていて飽きないな。