至上最幸の恋

 ふと我に返ると、この状況に戸惑いを覚えた。

 エリサはオレのことを、ずっと想ってくれていた。そしておそらく、慧からオレの近況を聞いて、ここまで来てくれたのだろう。

 それを嬉しく感じる反面、離婚したばかりのオレが、彼女と一緒にいていいのかという罪悪感もある。

 まだ最終電車には間に合う。エリサを家に帰すべきか……いや、ひとりで帰らせるわけにはいかないし、オレも一緒に東京へ戻るか。

 しかし、遺品整理は中途半端なままだ。このまま家を出るのも忍びない。

「お風呂、ありがとうございました」

 どうすべきか考えていると、エリサが風呂から上がってきた。

 長身だから、部屋着のサイズは問題なさそうだ。ドライヤーも用意しておいたので、髪もしっかり乾かしてきたらしい。

「お仕事が長引くこともあるので、いつも1泊できるくらいの荷物は持ち歩いているんですよ。シャンプーもコスメも、ばっちりです」

 居間の座布団に腰を下ろしながら、エリサが言った。

 なるほど。だからあんなに荷物が多かったのか。なかなかしっかりしている。

 いや、待てよ。それなら、着替えも持っているんじゃないのか?

「……着替えは、持っていなかったのか?」
「持っていますよ。でも、瑛士さんに包まれたかったので、お借りしました」

 エリサは屈託なく笑った。

 まったく、敵わないな。この笑顔を見ると、なにもかもどうでもよくなる。やはり中毒だな。

 すると、エリサが隣の和室へ目を向けた。