「同じ銘柄のお紅茶を出しているお店が、オペラ座の近くにあるんです。私のような素人が淹れるものとは、比べ物にならないくらい美味しくて。ザッハトルテも絶品なので、ぜひ瑛士さんにも味わっていただきたいなって……」
そういえば、ウィーンといえばザッハトルテか。いかにも若い女性が好みそうだ。
別にオレは甘党というわけではないし、進んで甘味を食べたいとは思わない。それでも、味わってほしいとエリサに言われると、なんとなくその店へ行きたくなってきた。
「そこ、明日の夕方は開いているのか?」
「え?」
「開いてねぇの? それとも明日の夕方、予定がある?」
「私ですか? いいえ! 予定があっても、なかったことにしますわ! お店も開いているはずです!」
パッと明るい花が咲く。やはりこの笑顔には、かなりの中毒性があるな。無性にスケッチしたくなる。
「えっと、それでしたら……明日は、15時に待ち合わせいたしませんか?」
「場所はここでいいのか?」
「ええ。オペラ座の近くなので少しだけ歩きますけど、大丈夫ですか?」
「いいよ。歩くのは好きだから」
「私も好きです!」
エリサが目を輝かせた。これくらいの共通点で喜ばれると、なんだか妙にこそばゆい。
人として、彼女に惹かれている。ただ、間もなく日本へ帰国するオレとの未来がつながっているとは、到底思えなかった。
そういえば、ウィーンといえばザッハトルテか。いかにも若い女性が好みそうだ。
別にオレは甘党というわけではないし、進んで甘味を食べたいとは思わない。それでも、味わってほしいとエリサに言われると、なんとなくその店へ行きたくなってきた。
「そこ、明日の夕方は開いているのか?」
「え?」
「開いてねぇの? それとも明日の夕方、予定がある?」
「私ですか? いいえ! 予定があっても、なかったことにしますわ! お店も開いているはずです!」
パッと明るい花が咲く。やはりこの笑顔には、かなりの中毒性があるな。無性にスケッチしたくなる。
「えっと、それでしたら……明日は、15時に待ち合わせいたしませんか?」
「場所はここでいいのか?」
「ええ。オペラ座の近くなので少しだけ歩きますけど、大丈夫ですか?」
「いいよ。歩くのは好きだから」
「私も好きです!」
エリサが目を輝かせた。これくらいの共通点で喜ばれると、なんだか妙にこそばゆい。
人として、彼女に惹かれている。ただ、間もなく日本へ帰国するオレとの未来がつながっているとは、到底思えなかった。



