「瑛士さん!」
エリサが満面の笑みを浮かべながら駆け寄ってくる。なんとなく、周りの景色が明るくなった。
「来てくださって嬉しいです!」
息を弾ませている。どうやら、エリサもオレと同じことを考えていたようだ。来ないかもしれないと思うのは、当然だよな。
オレはスケッチブックを閉じて、エリサが座るスペースを空けるために、ベンチの端に座り直した。
「お隣、よろしいのですか?」
「そんな荷物を抱えているのに、立たせたままにはできねぇだろ」
彼女は両手に大きなカゴを持っていた。一体なにが入っているんだ。持ってくると言ったのは、クッキーじゃなかったか?
エリサがベンチの端に腰かけ、オレとの間にふたつのカゴを置いた。
「実は……少し、張り切りすぎてしまいましたの」
そう言いながら、カゴに入っている風呂敷を解く。さらにその中の薄桃色の包み紙が開かれ、大量のクッキーが姿を見せた。
「……まさかこっちのカゴも、クッキーなのか?」
「こちらはシフォンケーキですわ。それと、お紅茶もお持ちしましたの」
エリサは、いそいそとティータイムの支度をはじめた。大きめの魔法瓶と使い捨ての紙コップ、さらに紙皿まで持参している。
「クッキーは3種類あります。アールグレイ、ココア、シンプルなバターですわ。シフォンケーキは、甘さを控えめにいたしましたの」
魔法瓶から紙コップへ紅茶が注がれると、爽やかな柑橘系の香りが立ちのぼった。
エリサが満面の笑みを浮かべながら駆け寄ってくる。なんとなく、周りの景色が明るくなった。
「来てくださって嬉しいです!」
息を弾ませている。どうやら、エリサもオレと同じことを考えていたようだ。来ないかもしれないと思うのは、当然だよな。
オレはスケッチブックを閉じて、エリサが座るスペースを空けるために、ベンチの端に座り直した。
「お隣、よろしいのですか?」
「そんな荷物を抱えているのに、立たせたままにはできねぇだろ」
彼女は両手に大きなカゴを持っていた。一体なにが入っているんだ。持ってくると言ったのは、クッキーじゃなかったか?
エリサがベンチの端に腰かけ、オレとの間にふたつのカゴを置いた。
「実は……少し、張り切りすぎてしまいましたの」
そう言いながら、カゴに入っている風呂敷を解く。さらにその中の薄桃色の包み紙が開かれ、大量のクッキーが姿を見せた。
「……まさかこっちのカゴも、クッキーなのか?」
「こちらはシフォンケーキですわ。それと、お紅茶もお持ちしましたの」
エリサは、いそいそとティータイムの支度をはじめた。大きめの魔法瓶と使い捨ての紙コップ、さらに紙皿まで持参している。
「クッキーは3種類あります。アールグレイ、ココア、シンプルなバターですわ。シフォンケーキは、甘さを控えめにいたしましたの」
魔法瓶から紙コップへ紅茶が注がれると、爽やかな柑橘系の香りが立ちのぼった。



