至上最幸の恋

「磯崎さんの写真、ぜひ拝見したいです」
「本当ですか? 嬉しいなぁ」

 磯崎が屈託のない笑顔を見せる。男女を問わず、この顔に心を許してしまう人は多いのだろう。

「それなら、最近出した写真集をお送りしますよ」
「え?」
「住所を教えていただけますか?」
「いやいや、買いますよ。いただくなんて申し訳ない」
「ぜひプレゼントさせてください。僕が、浅尾さんに見ていただきたいんです」

 慧が笑顔で、紙とペンを差し出してきた。仕方ない。ここは好意に甘えるか。

 住所を書いて手渡すと、磯崎はその紙を大切そうに名刺入れへ入れた。そういうしぐさからも、人との関わりを丁寧にしていることが窺える。

 正直、ここまでこの男に好感を持つとは思わなかった。やはり、会って話してみないと分からないものだ。エリサが彼を連れてきてくれてよかった。

 磯崎の話を聞いて、創作意欲に火がついた。
 彼が夢の世界を追求するのであれば、オレはいつの時代も変わらない普遍の美を、必ず描いてみせる。そんな気持ちが、胸の奥で静かに燃えはじめていた。

「浅尾さん。今日は本当にありがとうございました。とても楽しかったです」

 それから1時間ほど、撮影や絵の制作について互いにあれこれと話したあと、磯崎は目を輝かせてそう言った。