あの巨大な花束はふたりからの贈り物かと思ったが、どうやらエリサひとりで選んだらしい。
「お祝いは、また後日改めてお送りします」
「いえ、そんなに気を遣わないでください。こうしてわざわざ来てくださっただけで、十分ですよ」
自分より少し上にある磯崎の顔を、真っすぐ見上げた。
琥珀色の瞳は澄んでいて、純粋な芸術家の目をしている。モデルと浮名を流していると噂されているが、実際は女性のほうから近づいてくるだけなのではないか。
仕事で関わる相手から誘われては、無下にはできない。そうして相手をしているうちに、あらぬ噂が立ったとも考えられる。
メディアの情報など、どこまで本当か分からない。真実を追う記者もいるのだろうが、話題になるかどうかのほうが優先されることも多い。磯崎も、そんなメディアの被害者なのかもしれない。
「せっかくなので、もう少し話しませんか」
気がつくと、無意識にそう言っていた。
「いいんですか? お邪魔になると思ったので、すぐに退散するつもりだったんですが」
「いえ、とんでもない。写真のことを、いろいろお聞きしたかったんです。料理もこれだけあるし、お時間があるなら、ぜひ」
同じ芸術家として、カメラマン磯崎貴也の話をゆっくり聞いてみたい。そういう気持ちになっていた。
「お祝いは、また後日改めてお送りします」
「いえ、そんなに気を遣わないでください。こうしてわざわざ来てくださっただけで、十分ですよ」
自分より少し上にある磯崎の顔を、真っすぐ見上げた。
琥珀色の瞳は澄んでいて、純粋な芸術家の目をしている。モデルと浮名を流していると噂されているが、実際は女性のほうから近づいてくるだけなのではないか。
仕事で関わる相手から誘われては、無下にはできない。そうして相手をしているうちに、あらぬ噂が立ったとも考えられる。
メディアの情報など、どこまで本当か分からない。真実を追う記者もいるのだろうが、話題になるかどうかのほうが優先されることも多い。磯崎も、そんなメディアの被害者なのかもしれない。
「せっかくなので、もう少し話しませんか」
気がつくと、無意識にそう言っていた。
「いいんですか? お邪魔になると思ったので、すぐに退散するつもりだったんですが」
「いえ、とんでもない。写真のことを、いろいろお聞きしたかったんです。料理もこれだけあるし、お時間があるなら、ぜひ」
同じ芸術家として、カメラマン磯崎貴也の話をゆっくり聞いてみたい。そういう気持ちになっていた。



