至上最幸の恋

「ちゃんといるぞ、目の前に」

 笑いをかみ殺しながら花束を受け取ると、グレームーンストーンの瞳が現れた。この輝く宝石を見ると、妙に心が静まる。

「すげぇ大きさの花束だな」
「瑛士さんも植物がお好きだと伺っていたので、あれもこれもと入れたらこうなりました!」

 エリサが胸を張る。
 確かに植物は好きだ。しかし、その話をいつエリサにしたのか記憶にない。おそらくウィーンでの会話だと思うが、よく覚えているものだ。

「ご挨拶が遅れました。みなさま、こんばんは」

 エリサが、いつものように淑やかに頭を下げる。そこでようやく慧が笑い声を上げた。

「いやぁ、派手な登場だね、エリサちゃん。主役を食っちゃったな」
「そ、そんなつもりは……あ!」

 突然声を上げ、エリサはテーブルの奥にいる律へ一直線に向かった。

「瑛士さんの奥さまですね!」
「え、ええ」
「お初にお目にかかります、エリサ・ラハティと申します。このたびはご主人さまの受賞、誠におめでとうございます」
「あ、ありがとうございます……あ、えっと、はじめまして」

 長身のエリサを見上げ、律はわずかに目を瞬かせた。
 ウィーンで初めて会ったときのことを思い出すな。あのときも、公園で絵を描いているオレに真っすぐ歩み寄ってきた。