次の日、私は熱が出た。昨日の恐怖だからだろうか、寒気が止まらなくなって震えが止まらない。
心配したお母さんが学校へ連絡して休むことを伝え、当然水泳部も行くことがなくなった。
ベッドの中、ひたすら私はSNSを見て自分の動画が拡散されてないか検索してみたけれど、それらしい画像はアップされていない。
沙羅先輩の目的はただ私に怖い思いをさせたかっただけなのだろうか…
そんな日が三日続いた。
四日目になるとようやく熱も引き、私は学校へ登校することになった。
心配していた智花が智花の彼氏と一緒に待ち合わせ場所で待っていてくれて、何故か三人一緒に登校することになった。正直ありがたかった。一歩家を出るとがくがくと足が震え、一歩…二歩…三歩と歩く度ひざ元から崩れ落ちそうな感覚になる。それでも何とか待ち合わせ場所に向かった。
智花の彼氏は智花が言った通り”The硬派”で必要意外口を開くことはなかった。口を閉じていると若干怖い印象も受けるが、海李先輩と違うのはその顔が意外と爽やかだったからかな。
怖い、と感じつつも、これがこの人の地なのだと思えばあとは楽だった。
授業は真面目に取り組んだ。私が休む前に行った小テストもクラスで一位を取れたし、勉強には問題がなかった。他事を―――考えているとあのときの恐怖が和らぐ気がして、私は必死に先生の言葉に耳を傾けた。
だけどまだ水泳部に顔を出す気にはなれず、『体調不良』と言う理由でそれから一週間休んだ。
もう辞めちゃおうかな、とさえ思ったけれど沙羅先輩が引退するまで残り一か月。その一か月を何とか―――乗り切る自信が、もう私には残されてなかった。かといって大人しく辞めてしまうのも負けた気がして、この……私の妙な負けん気の強さ、絶対お母さんの血を引いてるなって思わされた。
そして一週間の休みを取った間、海李先輩から珍しくお昼休みの時間帯にメッセージが来た。
”話したい事がある。体育館へ続く渡り廊下へ来て”と言う内容を見て、珍しい……校舎で会うことはなるべく控えてたのに、と何も考えず、しかし深く考えず先輩の言う通り指定された場所へ向かうと先輩はすでに到着していた。先輩一人。
久しぶりに見る先輩の顔。その顔色はすぐれなく私と目を合わせようとしない。その横顔に陰りもあった。嫌な予感と今すぐその胸へ飛び込みたい衝動を堪え冷静に
「話したい事って何ですか?」といつもの平静を装って聞いてみた。
「別れたい」
先輩の一言に目の前が真っ暗になった。



