人魚のティアドロップ


プールでシャワーも浴びたし、その後ホテルでお風呂にも入った。

これ以上お風呂に入ったらふやけちゃいそうで、「今日は智花のうちでお風呂借りてきた」と適当な嘘をついてすぐに自室に向かった。

ベッドに寝ころんで

先輩が今日言った、『自分のガキなんていらない』発言は、先輩と先輩のお父さんの歪んだ関係からきているとしたら何となく納得。

でもこのまま付き合って結婚したら、やっぱり私は先輩との子供が欲しいよ。

長く一緒に居たら考えが変わるかな。でも長く根付いた先輩の環境が彼を支配して飲み込んでいったら。

やっぱり子供は要らないって言うかな。

「あー、分かんない」

ボフッ

私は枕を顔に抱いて頭を抱え込んだ。

今日ばかりは試験勉強をする気になれなかったけれど、次の日から試験に向けて勉強に勤しんだ。

そのおかげか試験は順調に終わり、部活も再開することになった。一学期も終わり夏休みに突入したがその間も部活動は休みがない。

正直、沙羅先輩の嫌がらせがいじめに発展するんじゃないかと思って怖かったが、意外に意外。沙羅先輩は私と目線すら合わせなかった。

しかし、そのほかの女子の態度が冷たく感じるのは気のせい?

200m泳ぎ切った所で「タイムは?」と一年のマネージャーに聞くと

「すみません……スイッチ入れるの忘れちゃったみたいで。もう一回いいですか?」と言われ、仕方なしにもう一度泳ぐと

「あれ、このストップウォッチ壊れてるのかな。何度スイッチを押しても反応しないんです」と困り顔。

「え?壊れた?」と思ってストップウォッチを取り上げると中の電池が抜かれていたり。他の女子部員にも話しかけても、逃げるように立ち去られたり。

沙羅先輩……自分は直接手をくださないつもりだろうけど、周りを巻き込んで嫌がらせをはじめたようだ。

それでもめげずに頑張れたのは海李先輩のおかげかな。

毎日

”今日は大丈夫だったか?沙羅に何かされてない?”と心配のメッセージをくれる。

”大丈夫です。こないだ先輩が怒鳴ったからからかな、静かなものですよ”

嘘―――着いちゃった。

ホントは全然大丈夫じゃない。

でも沙羅先輩ももう二か月程で引退する。それまでの我慢だ。私さえ耐えれば―――