次の日の終業式の日、この日は部活が休みだった。海李先輩に誘われて私たちは普段行くファミレスではなく一駅離れたファミレスでご飯を食べてお喋りに明け暮れていた。
他愛のない話の合間に
「なぁ、初詣どっか一緒に行かない?」と海李先輩から提案があったことが嬉しかった。
「は、はい!行きたい!」
勢い込むと
「すげー勢い」と先輩は無邪気に笑った。
「あんま混むのは嫌だしな~、美海がいつもいってるとことか」
ま、まぁ”あそこ”ならそう大きな神社じゃないけど出店とかも出ていて結構楽しめるけど、でも万が一智花と翔琉と鉢合わせたらな~
また翔琉が変な因縁つけてきても面倒だし。
何より二人の邪魔をしたくない。
「あそことは違う所がいいです。先輩とは違う想い出作りたいって言うか」
ドリンクバーでいれてきたメロンソーダのグラスを両手で包んでいると
「そか、そーしよか」と先輩は口元に手をやりちょっと赤くなった顔を僅かに逸らした。
あれ……?私、変なこと言っちゃったかな……
と不安に思っていると
「そー言うこと言われるとさ、嬉しいっつうか」先輩が顔を俯かせてアイスコーヒーの残りをズズズと音を立てて飲み干す。
嬉しい……
私の顔が熱くなるのが分かって私も勢いよくメロンソーダを飲んでいるとテーブルに伏せた海李先輩のスマホが着信を鳴らした。
先輩はスマホの画面を見るなり一瞬だけ眉を顰め、そのままなり続けるスマホを伏せて電話に出ることはなかった。
誰?
不思議に思って顔を傾けていると
「やっぱ隠し事は良くないよな」と鳴り続けるスマホの画面を私に見せてきた。画面には”沙羅”と文字が書かれている。
「と、取らなくていいんですか」ホントは沙羅先輩と喋ってる先輩を目にしたくないし、聞きたくない。
「いや、面倒。どーせくだらないことだろ。美海が見たって言うコーチにフラれたかデートのドタキャンされたかで暇潰しの為電話してきたかだ」
そうなのかな……
沙羅先輩と海李先輩の縁が切れないかな。
初めて芽生えた自分の中の薄汚い感情。それは酷く醜悪で気持ちの悪いものだった。



