「美海の恋も実ったし、あたしの秘密もこの際だから打ち明けようかな~」
秘密?
「あたし、好きな人が居るって言ってたじゃん」
そう言えば言ってた。ずっとその”好きな人”のこと教えてくれなかったけれど、それが智花の秘密?
「うん……でも頑なに教えてくれなかったよね」
「うん…だってあたしの好きな人、翔琉なんだもん」
え……えぇーーーー!?
「嘘!いつから!?」
「小学校のときからかな~」
そんなに長く片思いを?
「何で教えてくれなかったのよ、知ってたら協力してたのに」
「だってうちら幼馴染だし、何となく…ね、言い辛いじゃん。それに美海も翔琉が好きだと思ってたから余計に」
「は?あたしが翔琉を―――?ないない」
言った通り、あたしは翔琉を今の今まで男子として見たことはな一度もない。
「それにしてもなー、智花ぐらい可愛かったら翔琉にはもったいない」ムーと唇を尖らせると
「そんなことないよ~翔琉結構人気なんだよ?」
知ってるけど、”あの”翔琉がぁ?ちっちゃい頃から知ってるけどどーしても男として見れないんだよね。
「ところで翔琉のどこを好きになったの?」
「ん~…明確な何かがあったわけじゃないんだけどね、気づいたら好きになってた」
へぇ、そう言う恋も存在するんだ…
恋愛も色々あるんだなぁ。私の場合、海李先輩に一目ぼれだったわけだけど。
なんて考えてると
スマホがメッセージを鳴らした。
海李先輩のこと考えてたからかな。
送信元は海李先輩で
”今何してる?”と今朝と同じあまり身の無いものだったけれど、こうゆう何気ないやり取りできるのっていかにも恋人同士って感じで何かいい。
”智花と屋上でお昼ご飯食べてます”と返信すると
”こんなに寒いのに屋上で?風邪ひくなよー”とかえってきて「ふふっ」私は小さく笑った。
その様子を見ていた智花が「ラブラブだね~、いいなぁ、あたしも頑張ってみようかな」と言い出した。
「うん、頑張りなよ!応援する」とガッツポーズを作ると
「美海が応援してくれると頼もしいな~、幸せのおすそ分け頂戴」と言って智花が手を重ねてきた。
おすそ分けもするし、私は言った通り全力で翔琉との恋を応援する。
「そだ!明日終業式だし、それから割とすぐお正月入るでしょ?初詣誘ってみれば?」
「え!いきなり!二人きりで?だって初詣は毎年美海も含めて三人だったわけだし」
「こうゆうのって勢いが大事だよ」
この時のあたしは何も分かっていなかった。自分の恋で精一杯で恋の先輩気どりで気軽にアドバイスなんてして。
智花が何を考えていたのか、翔琉の気持ちや、自分と先輩の中にあるドロドロと渦巻いたもの―――何一つ。
それを知るのはもっと後のことだった。



