「智花、メイクしてる?」と聞くと
「え?うん。友達みんなしてるし、いずれ大会に出られたら本格的なメイクをするわけでしょ?その予行演習的な?」と智花は微笑んだ。
素でも十分きれいなのに、化粧を施すと何倍もきれいに見えるのが不思議だ。
私も……メイクしたら少しでも海李先輩に可愛いって思ってもらえるかな。
ううん、思われたい。
「ね、あたしにも教えて。メイクの仕方」
「え?いいけど、どうしたの急に。あんまり興味なさそうだったのに。まさか翔琉の為……?」
は?何でそこで翔琉の名前が出てくる。
「違うって。智花がすごく可愛いから私もしたいな~ってふと思ったから」
「え?ホント?あたし可愛い?」と智花は顔をちょっと顔を赤くして両頬を手で包む。
やっぱ異性に言われると嬉しいけど同性でも『可愛い』って言われると嬉しいよね。
「じゃぁ今度の休み、うちに来なよ。練習だ~」と智花が張り切っている。
それから次の日曜日まで四日程あった。日曜日だけは全部活が休みになる。そしてそのまま期末試験に突入するから部活動は試験前で約一週間休みだ。その間海李先輩とメッセージを交わしたのは一回だけ。
”何してる?”ってまるで恋人同士のような質問に戸惑いながら
”来週の試験に備えて勉強してます”とバカ正直に返すと
”真面目か(笑)”と答えが返ってきて、「ふふっ」と思わず笑みがこぼれた。
”美海って成績どれぐらい?”と聞かれて
”まぁ学年10位以内ぐらいですかね”とバカ正直に答えると
”なぁ、俺に勉強教えてくれね?”と返信が来たときは
「え゛!」と声が出た。
ちょうど数式の問題を解いていたとき、シャーペンの芯がポキりと音を立てて音を立てて折れた。
”で、でも先輩二年生ですよね?さすがに二年生の問題まで解けませんよ”と慌てて返信すると
”一年の基礎だけでいいからさ。俺勉強はまるっきりで基礎さえわかればちょっとは解けるかな~って思って”
そんな簡単な問題なのかな。
”いいですけど、役に立つかどうか”何とか答えると
”よしじゃぁ来週の月曜、図書室集合な”って勝手に決められるし。
目的が勉強だけど、でも海李先輩に会える!



