それから二週間に一回は翔琉が尋ねてきた。私の料理目的だけれど、海斗の遊び相手にもなってくれるから助かるっちゃ助かるけれど。
そのうち一週間に一回、二回、三回と頻度が増えていき、この頃すっかり海斗は翔琉になついていた。
「翔琉おにいちゃんだいすき」と翔琉の背中から抱きしめたり、「一緒にお風呂入ろう」と言い出したり。
まぁ嫌われるよりはいいのか?
そうして三か月程経ったとき、翔琉が「連れてきたい人がいる」と言い出した。
連れてきたい人?って誰よ。
変なセールスだったら断らないと。でも翔琉に限ってそれはないかな。でもホントは私たち親子を恨んでいて、怖い人を連れてきたら……
何があってもいいように、家に呼ぶのは辞めて街にある唯一のファミレスで会うことにした。
海斗と二人約束の時間より少し早めに着くとそれから十分後、翔琉が現れた。その背後にいる美人は……
「智花!?」
「美海!」
翔琉が連れてきたい人って言った人って智花のことだったの?
「もう~!急に姿消すし電話してもメッセージも無視されるし、どこへ行っちゃったんだろう、何があったんだろう、て心配したんだから」
智花は今にも泣き出しそうに私をぎゅっと抱きしめてきた。
「うん、ごめんね……色々事情があって」
「翔琉から聞いたよ。その子が海斗くん?」海斗を見ると智花はにっこり。「可愛い子ね」
この頃になると男の子ってのは異性を意識しだすのか、ちょっと恥ずかしそうに私の腕に縋ってきた。
「海斗、このお姉ちゃんは智花ちゃんて言うのよ。とっても優しいいいお姉ちゃんよ」と私が説明すると
「もうお姉ちゃんて年齢じゃないけどね」と智花が微笑む。智花は五年前と全然変わっていなくて、相変わらず美人だしオシャレ。
智花が来るって分かってたらもっとオシャレしてくるべきだったか。今日の私の服装はピンクと白のボーダーのTシャツにジーンズと言うそっけない恰好。化粧も殆どしてないし。
「可愛い子だね、顔は海李先輩似かな」と智花がぼそっと私に耳打ち。私は思わず苦笑い。
翔琉はこの子の父親が誰だか知らないけれど、智花は勘が鋭い。
てっきり軽蔑されるかと思ったけれど智花はそんな感じではなく、友好的だ。
それから四人で食事をして、食べ終えると昔話に花を咲かせ、楽しい一日は終わった。
私の日々が徐々に色づいている。
あのとき、翔琉が花束をくれたときのように鮮やかなブルー色に。



